Paraglider Pikaichi

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ファイターパイロットへの道(その5)

time 2016/11/20

ファイターパイロットへの道(その5)

「ファイターパイロットへの道」の第5回目です。

第4回目では「上達するということ」について説明しました。特に重視すべきは

正確な機体コントロール技術である

と言うことでしたよね。

今回は、その正確な機体コントロールと修得方法について考えてみたいと思います。

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機体コントロール(操縦)技術

パラグライダーを操縦するのは2本のブレークコードで行われます。機体のコントロールはブレークコードの引き戻し操作だけであり、それ以外の要素としては体重移動などのパイロット自身による荷重操作が加わります。

そもそもパラグライダーと言う乗り物は、一般的な航空機と構造が大きく違っています。その最たるものは

パイロットも航空機を構成する一部である

と言う点です。パラグライダー単体では、仮にキャノピーに風をはらんで翼が形成されたとしても滑空することはありません。

なぜならば、翼を構成するための重りが欠けているからです。この重りに相当するのがパイロットであり、それによってヤジロベエのような振り子状態を作り出し、さらには翼に荷重をかけることで剛性を増し、重りにかかる重力によって前進し滑空する・・・と言うことになります。

この特殊なパラグライダーの構造をしっかりと理解しておかなければ、空中で起こる様々な動きを予測し対応することが難しくなります。

グラハンでわかるパイロットの理解度

パラグライダーの構造をしっかり理解しているかどうかは、グラハンでスラロームなどを実施することで確認することができます。

こちらの動画をまずは御覧ください。

この動画は、私の所属するクラブで実施したスラローム大会のものです。最初に登場する赤い機体は私自身です。

スラロームは、地上に置かれたコーンを目印として旋回を行い、蛇行した飛行経路をたどってゴールするものになっています。

私と私の後に登場する黄色い機体のパイロットとの差とは一体何なのかがお分かりいただけますでしょうか?

地上であっても飛行しなければならない

手前みそで恐縮ですが、最初のスラロームは機体にバンクがかかって旋回動作を行っています。また、旋回中のキャノピーとパイロットの位置にも注目してもらいたいのですが、バンクがかかればパイロットは機体の外側に位置するのが理論上正しいはずです。キャノピーとパイロットが綺麗な三角形を形成しているはずです。飛行中は遠心力がかかってそのようになっているはずですよね?

では、黄色い機体のパイロットはどうでしょうか?

残念ながら、そのようにはなっていません。このパイロットも、実際に飛行すればこんなおかしなことには絶対にならないのですが、グラハンだとこうなってしまうパイロットが実に多いのです。

その理由は

  • パイロットがパラグライダーの一部であると言うことを理解していない
  • グラハンであっても機体を飛ばす(飛行状態と同じ状況を作る)ことを理解していない
  • グラハンと実際の飛行を同一のものと思っていない

などが考えられます。

このような方は、残念ながらグラハンであれこれ練習しても実際の飛行にフィードバックすることは難しいでしょう。なにしろ

グラハンは空中で起こる現象の地上におけるシミュレーションである

と言うことを理解していないからです。グラハンと言う単独の技術と言う意味では上達するかもしれませんが、実際のフライトにおける操作技術とリンクし、それが操縦に生かされるかと言えば甚だ疑問であると言わざるを得ません。

グラハンでかなりの技術が修得できる

グラハンと言うと、ライズアップ練習などの「テイクオフ動作」に主眼が行きがちですが、それ以外の技術もかなりの範囲で修得することができます。

頭上安定時のブレークコントロールなどで、機体の微妙な位置や動きをコントロールしたり、そこそこ風が強い場合などはコラップスなどもシミュレーションすることが可能です。

また、グラハンでラインテンションが抜けると空中よりも早く潰れが発生します。これは

空中であれば重力により落下し緩んだテンションが再び回復するが、地上では落下スペースがないために限界点が早い

と言うことによります。つまり、グラハンで機体を潰さないようにコントロールすることができれば、空中で潰す可能性は大幅に低くできると言えるのです。

地上で行うグラハンでもピッチングやローリングはもちろん、緩い傾斜地で飛ぶことが可能なスペースであれば

  • テイクオフの練習
  • ピッチコントロール
  • 機体を飛ばす(加速させる)

なども訓練することが可能です。グラハンの優れている点は

地上であるため事故のリスクが低い

と言う点です。よほど無謀な風の時にグラハンをやらない限り、あるいは無謀な技を実施しない限りは大きな事故に至る可能性は低いと言えます。

空中で行う訓練が怖いと感じるのであれば、地上で行うのが良いのではないか?と思います。

もう一つの良い点は

第三者に操作を直接見てもらえる

と言う点が挙げられます。空中では自分の操作を見てもらうことなどタンデム飛行でもしない限り不可能です。後で動画を確認すると言う方法もないとは言えませんが、リアルタイムに指示や指導をする場合には向きません。そう言った優れた点の多いグラハンをもっと行うべきではないか?と思います。

Team-Cの隊員は総じてグラハンが上手いですし、楽しんでグラハンを行っています。それによって自身の技術を確認し、課題を見つけ、それを矯正あるいは修得しているのです。

基礎技術に勝るものはない

パラグライダーに限らずでしょうが、技術的な話になるとある一部分だけをクローズアップした話になりがちです。

例えば、センタリング技術の話の場合は

  • やれサーマルの強さがどうのこうの
  • ブレークの引き具合がどうのこうの
  • 機体のバンクがどうのこうの

と操作や理論の話ばかりになってしまうことが多々あります。でも、ここで考えてみて下さい。センタリングとは一体何なのでしょう?

センタリングと言うのは

上昇風の中に留まるために行う機体の旋回操作

ではないでしょうか?通常の旋回と違う点と言えば、上昇風の中にいると言う点だけなのだと思うのですがいかがでしょう?

そんな方々に声を大にして言いたいのは

センタリング云々する前に、ちゃんとした360度旋回ができていますか?

と言うことです。同じ旋回動作でも、様々なバンクによる旋回や、旋回途中でバンク角を調整しながら旋回半径を変えることができるとか、そのようなことをしたことがあるのでしょうか?

さらに言えば、右90度旋回でピッタリと90度の位置で旋回を終了し通常飛行に移行することができますか?

180度旋回ではどうですか?270度旋回ではどうですか?

このような基礎的な技術は、パイロットになってソアリングを始めると疎かになるどころか見向きもされなくなります。

ファイターパイロットを目指す方は、そこにこそ最も重要な技術が潜んでいることを再認識してもらう必要があります。

基礎技術に勝る技術は存在しません。基礎があってこそ応用技術が生まれるのです。

 

このように、実は単にやらなかっただけの訓練方法が、正確に機体をコントロールするための技術を修得する方法だったりするのです。

枝葉の技術論も否定はしませんが、絶対的な技術を身に着けて真に上達したいと願うのであれば、グラハンや旋回などの基礎技術にもう一度目を向けてもらいたいと思います。

 

ファイターパイロットへの道(その4)← →ファイターパイロットへの道(その6)

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管理人

名前:Pikaichi

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1992年にパラグライダーを始めて20年以上飛んでいます。 立山エリアをベースに、「Tateyama Team-C」のメンバーと共に全国の競技会に出かけています。

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