製作秘話その4
藤野の担当は全体の演出と小物製作。何を置いても最初に作らなければならないのがユニフォームです。今回も堀田さんが持参してくれた「イカロス出版・ブルーインパルスパーフェクトガイド」と言う本を参考に、ユニフォームの色やデザイン、ワッペンや階級章などの装飾を研究しました。
※堀田さんは、前回の「戦国飛行隊」でも、戦国時代のアイテムが載った資料本を持って来てくれました・・・
ユニフォームの元となる”つなぎ”は、塚本委員長の提案で安価な作業服を購入しベースとすることになりました。ホームセンターや作業服専門店などを回りますが、なかなか安い”つなぎ”は見当たりません。あるにはあるんですが、色が違うんです。パイロットのユニフォームは「濃紺」なんですけど、その色の安い”つなぎ”や作業服はないんですよね。藤野が困っていたら、塚本委員長がホームセンターで見つけてきました。でも、やはり色は「濃紺」ではなく明るいブルー。まぁ、委員長がそれでもいいなら、多少色が違っても装飾すればある程度それっぽく見せることが出来るだろうと言うことで、実際の製作に取り掛かりました。
参考本で研究・・・
それにしても調べることが多すぎです。私も航空祭には何度も足を運んでますしブルーインパルスも見ていますが、細かいディティールに関しては調べないと製作出来ません。参考本は大活躍でした。何と言ってもブルーインパルスの部隊マークであるワッペンやネーム章、ドルフィンライダーワッペン、展示飛行の際右腕部分に付けるイベント章などを作らねばなりませんでした。写真を取り込んで、そのままシールにする手も考えましたが、仕上がりが悪く質感も違うため却下。仕方なく”イラストレーター”で一からデザインすることになりました。
本から取り込んだ画像を参考にデザイン
最初は「ブルーインパルス」をそのままコピーしようと思ったのですが、何もかも同じでは面白くないし、どうせ一からデザインするなら「Tateyama Impulseにしよう!!」と思って、ロゴのデザインもオリジナルとは微妙に変えて作りました。部隊マークも矢印をパラグライダーの機体に変えて6機編隊にしてありますし、ネーム章も同様にパラグライダーにしてあります。デザイン上面倒な部分も省きました・・・。ワッペンは、こうして作成したデータをアイロン系のインクジェット用紙に印刷し、青いフェルトに接着して作りました。後から気付いたのですが、本物の展示服や作業服は部隊マークなどのワッペンをベルクロで脱着出来るようになっていますので、そのとおりに作れば良かったと後悔しました。実際にはワッペンを”接着剤”で付けた(縫うのが面倒だったから)のですが、汗で剥がれてくるんですよね。これは失敗でした。2番機パイロット小林三佐のワッペンは、藤野が暇を見て全部縫いました・・・(2回も剥がれたから・・・)。
それ以外のユニフォーム系装飾では階級章があります。襟の両方に付けているのですが、略章と言うそうです。これもそのまま本物のデザインを採用しようと思ったのですが、「獅子吼高原→石川県→加賀藩→前田家→家紋→梅鉢」と言う連想ゲームでもないのですが、梅も五角形っぽいので「梅鉢」に変えてあります。ほとんど誰も気付かない部分ですが、個人的な拘りと言うか仕掛けですかね・・・。
実際の略章とTateyama Impulseの略章
ユニフォームはそれ以外に「Tateyama Impulse」のロゴが背中に入れられてます。帽子にも。本物と近いフォントを探して、結局筆記体調のフォントでロゴを作成しました。帽子も”100円ショップ”で調達しました。富山県中のダイソーを回り、必要数15個をかき集めました。これが何だかんだと大変でした(調達に協力いただいたクラブ員の方にも感謝です)。
作ったユニフォーム
ユニフォーム以外の小物は主にパイロットの装備品になりますので今回は割愛しますが、仮装でユニフォームなどのアイテムは見た目を飾る重要な要素。言わばマストです。人が気付こうが気付くまいが拘るのがある意味立山のポリシーでしょうか・・・。そうそう、一緒に仮装で参加した「WAF(女性空自官)」の制服でも、肩章やネームプレートを製作しました。こちらは「イカロス出版・JWings」を参考にしました。WAFの所属は「立山第1飛行群101SQ(スコードロン=飛行隊)」としています。つまり、「Tateyama Impulse」の正式名称は「立山第1飛行団・飛行群、第101飛行隊」と言うことになるんですよね。
WAFとその小物
ユニフォーム系の仮装は、ともすれば「コスプレ」になってしまいますが、どうせコスプレにするならトコトン拘って・・・と言うことでデザインから始めた訳ですが、やはり「何かを作る(創る)」と言うことは大変だし、でもとても素晴らしいことだと思います。仮装に参加すると言うことは、そう言った喜びや達成感も感じさせてくれる貴重な「機会」なのかもしれませんね。