LiveTracking(ライブトラッキング)と言う言葉は、Pikaichiがそれを実際に使おうと思った3年くらい前に比べると一般に認知されてきた感があります。それに大きく貢献したのはRedBullのX-Alpsではないかと思いますが、扇澤郁さんや松原正幸さん、只野正一郎さんら日本選手の動向をPCの前で観戦しながら応援出来たのもLiveTrackと言うシステムがあったからです。
LiveTrack(ライブトラック)って何?
では、そのLiveTrackって言うのはいったいどんな仕組みなのか?を簡単に説明します。下手な図ですが作ってみたのでご覧ください。
スマートフォンにはGPSが内臓されています。(ほとんどのスマホに内臓されていると思います)
- スマホにLiveTrack用のアプリケーションをインストールして利用することで、スマホはGPS衛星から電波を受信して自分の位置を計算します
- その位置情報をLiveTrackを行っているサーバーに送ります
- スマホは自分が接続している携帯各社の基地局に携帯の電波を使って位置情報を送る
- 基地局からは携帯各社の回線を通って携帯各社のインターネット接続ポイント(ゲートウェイ)へ送られる
- 携帯各社のゲートウェイからLiveTrackサーバーへインターネットを通じて位置情報が送られる
- その情報をWebブラウザで見ることが出来る
と言う流れになります。スマホがオンライン(アンテナが立っていてデータ通信可能な状態)であれば、リアルタイムで「どこを飛んでいるか」がわかるようになるのです。便利ですよね。
何ができる?
では、LiveTrackをすると何ができて何がいいのでしょう?
- 何はともあれ安全対策(万一の際にも位置がすぐにわかる)
- クロカンで降りた場所がわかるから、ピックアップもラクラク
- ログをサーバーに残せるので、わざわざGPSからダウンロードしなくてもいい
- 仲間にログを見てもらうときも、サーバーからダウンロードしてもらえばいい
- もちろん大会でも利用可能
などがあるでしょう。まだまだ他にもメリットがあると思います。でも、一番大事なのは「安全対策」としての利用だろうとPikaichiは思います。
パラグライダーで飛んでいる場合、クロカンや大会以外でも不測の事態が発生して救助される場面が十分考えられます。ホームエリアでフライトしていて、いつも誰かが自分のことを見ていてくれる訳ではありません。そんな時にもしも山チンしてしまったりして、しかも自分の意識もなくなって連絡が取れない状況になってしまったらどうしますか?
どうしますか?って意識がないんだからどうしようもないですが、どこにいるかわからない相手を探すのはとても大変なことなんです。こんな場合でも、もしLiveTrackを実行していてあなたの仲間が
「あいついつもLiveTrack入れてたから探してみよう」
って思い出してくれたら、あなたは無事に発見されて救助される可能性が飛躍的に高まるんです。
こんな想定はあってはならないと思いますが、それでもパイロットである以上、身を守るために想定内として対策するのが得策ではないでしょうか?
LiveTrack24
LiveTrackはいくつかのサービスが存在していますが、Pikaichiがお勧めするのは「LiveTrack24」です。古くは「レオナルドライブ」と言う名称でサービスを行っており、現在もパラグライダーワールドカップなどのライブを行っているサイトですから、スカイスポーツでの実績は十分にあります。スマホ用のアプリも以前はiPhoneしか対応していませんでしたが現在はAndroidにも対応しているので、そのどちらかのスマホさえあればLiveTrackのシステムを簡単に利用することが出来ます。しかもタダ(無料)で!!
利用するためには?
LiveTrack24を利用するためには、次のステップを踏む必要があります。
- LiveTrack24で自分のアカウントを作成する
- 自分のスマホ用アプリをダウンロードする
- スマホアプリの設定を行う
- テストする
自分のアカウントを作成する
最初にアカウントを作成します。LiveTrack24のサイトへ行きます。
「Sign Up」をクリックします。
必要事項を登録し「Create my Account」をクリックします。
アカウントが作成されました。試しにログインしてみましょう。「Login」をクリックします。
先ほど設定したアカウントとパスワードを入力してLoginしてみましょう。
Login出来ればOKです。
スマホアプリをダウンロードする
次にスマホアプリをダウンロードします。
iPhoneの方はAppStoreで「LiveTrack24+」を検索してください。
Androidの方はPlayStoreで「LiveTrack24+」を検索してください。
アプリが見つかったらスマホにインストールしてください。
アプリの設定をおこなう
アプリをインストールしたら設定を行います。必要最低限の設定は「アカウント」と「パスワード」を入れるだけです。
※画面はiPhoneのものです
最初に「Loggd in」をタップしてアカウントとパスワードを設定しましょう。
ユーザーとパスワードを設定しておきます。設定したらそのままLoginしましょう。
「LiveTracking」の設定ですが、必要に応じて変更してください。これはPikaichiの設定です。
「Equipment」にはカテゴリー(Paraglider)や機体名も登録出来ます。登録しなくても大丈夫です。
テストする
設定ができたら位置情報が送信できるか(トラッキングできるか)をテストします。
「LiveTracking」をタップするとこの画面になります。STARTをタップするとTrakingが開始されます。
Traking中はこの画面になります。STOPで停止できます。
それでは、ログがLiveTrack24サイトに保存されているかを確認しましょう。サイトに行ってログインしてください。
右上に並んでいるメニューの「My Wall」をクリックすると自分のログを見ることができます。ログは新しい順に並びますので、一番最初にあるのがテストしたログになります。
ログが保存されていることを確認できたらテストで使ったログは消しましょう。ほとんどの方は自宅でテストすることになると思います。このままだとお家がばれてしまいます(笑)。
ログの写真の下にある歯車マークをクリックすると、ログ自体の設定を変更することができます。今回は消すだけなので「Delete」でログを削除してください。(Statusでログの公開範囲を設定することもできますよ)
ログが消えたことを確認してください。
使える状態になりました
これでいつでもLiveTrackが使える状態になりました。細かい使い方やサイト上での使い方などはまたの機会に解説することにしますが、LiveTrack24の良いところを解説しておきます。
ログの精度
以前のLiveTrackは、携帯がオンラインの状態のみの位置情報を送出する仕組みでした。ですので、携帯が圏外になってしまうとその間のログは欠落してしまいます。
しかし、LiveTrack24はその点が改善されています。アプリがスマホの通信状態をモニターしており、もしも圏外になっていた場合はログ情報を保存して行きます。そしてオンラインになった時に送ることができなかったログも一緒に送ります。
この仕組みができたことで、フライトログをGPSからダウンロードしなくてもLiveTrack24サイトからダウンロードして使うことが可能になりました。Pikaichiは十分な精度があると思っていますので、普段はサイトからログをダウンロードして利用しています。
これはPikaichiが使っているFlymasterのログとLiveTrack24のログを重ねたものですが、赤で囲った部分だけが微妙にずれているだけでほとんどが一致していました。
このことから、近い将来は大会などでもGPSからログをダウンロードするのではなく、サイトからダウンロードしてより迅速に結果を出せることを望んでいます。
注意点
LiveTrackを日常的に使うことで安全対策になりますし、ログの管理なども楽になります。ですが、一つだけ注意して欲しいことがあります。
それはスマホのバッテリーです。GPSを使うとバッテリー消費が激しくなりますので、すぐにバッテリーがなくなってしまいます。せっかくの安全対策なのに、バッテリーが切れて本来の電話が使えなくなってしまうと言うのは笑うに笑えない事態です。実際にそのような事例も知っていますので、LiveTrackを行う場合はバックアップのバッテリーを携帯して(出来ればスマホに接続して)利用するようにしてください。
バッテリーを持ってない人は買ってくださいね
LiveTrackを上手に利用して安全で楽しいパラグライダーライフにしましょう!!
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