製作秘話その9
仮装演技全体をエンターテイメントにしたい・・・。それが今回の最大のテーマであり目的でした。ナレーションからBGMまで全てを自分たちで演出しなければなりません。
BGMについては、イメージ段階で「ウォークダウンはバックドラフトのテーマ(料理の鉄人と言ったほうがわかり易いかもしれません)を使い、テイクオフから空中演技は定番だけどトップガンのデンジャー・ゾーン」って言うのが自分の中で出来上がっていました。そのイメージを確認するためにサントラを入手して全曲を聴き、どの曲を実際に使うかを決めて行きました。
最初から使おうと思っていた
「バックドラフト」も「デンジャー・ゾーン」もイメージどおりでしたから予定通り使うことを決めたのですが、その際に考えなくてはならなかったのは「バックドラフト」の曲をどの程度の長さにするか・・・と言うことでした。実際に使ったのは「Show Me Your Firetruck」と「Fahrenheit 451」の2曲を編集でつなぎ、6分強の長さにしたものをウォークダウンに使ったのですが、それは「ウォークダウンからテイクオフ準備、テイクオフ準備完了までどの程度の時間を要するか全くわからない」と言うことがあったからです。ウォークダウン自体は訓練から1分以内で終わりそうでしたが、問題はその後。やってみないと想像出来ませんでした。実際には4分程度で離陸完了だったんですけどね。
ウォークダウンと言えば本家ブルーインパルスでもBGMを使っています。これは今回いろいろ調べてわかったことなんですけど、本家は航空自衛隊航空中央音楽隊演奏のブルーインパルスと言うアルバムの中で「The Simmer of the Air」と言う曲をウォークダウンに使っている様です。離陸時には「Dolphin in the Sky」と言う曲を使っているとのことでした。早速ネットなどで調べましたが、そのアルバムは既に廃盤になっており、どこを探しても入手することが不可能でした。まぁ、曲を試聴してみるとバックドラフトとは全く違うイメージなので、「そこまで同じにしなくても良いだろう。むしろ”鉄人”で聞き覚えのある曲の方が一般受けもいい・・・」と判断し、当初のイメージを踏襲することにしました。
ブルーインパルス関連のアルバムもあります(上は廃盤、下は入手)
元々あったイメージはこれで良いとしても、まだ構成上BGMを選ばなければなりませんでした。クルーのウォークバックです。イメージ段階ではそこまで考えられていなかった演出なので、どのような曲が良いかをイメージしました。曲出しタイミングとしては、空中演技が終了して3機がランディング上空へ向けて飛行を開始する辺りから流すのがベストだと思い、「演技が終わった安堵感と、それを讃えるような曲調。その曲でウォークバックを行い、最後に敬礼で終わることが出来るようなもの」を探す事にしました。
この中から探した・・・
探すならばSF映画がメイン。「アルマゲドン」、「アポロ13」、「インデペンデンスデイ」、「エアフォースワン」、「海猿」のサントラ5枚を借りて探しました。「アルマゲドン」は全くサントラっぽくなく、歌がメインと言う構成で使えませんでした。「アポロ13」もセリフを含めた構成で使えません。「海猿」にはそれらしい曲もありましたが、逆にメジャー過ぎと言うこともあり「空なのになんで海猿?」ってことになるのを避けたいので却下。結局は「エアフォースワン」の中で、”最後に大統領がエアフォースワンから輸送機に乗り移る時に流れた曲”を編集して使用することにしました。編集したのは「前半の緊迫した曲調が不要」だったことと、「いきなりファンファーレのように力強い音が欲しい」と言うことからそのようにしたのです。
あとはこれらをCDにして準備完了・・・。実際の地上訓練でも使用し、本番でも予定どおりに流すが出来ました。