製作秘話その12
仮装の装備は機体だけじゃありません。むしろ、いわゆる「装備品」と呼ばれる小物の方が面倒と言うか大変でした。特に、戦闘機パイロットの装備と言うと、ヘルメットと救命装備。酸素マスクなどの装備があります。
まずは、ヘルメット。ジェットヘルメットを堀田さんから2個お借りし(後に寄付していただきました)、塚本委員長個人持ちのジェットヘルで3名分を確保しました。本当ならば、色もブルーインパルスみたいに青く塗りたかったのですが、当初は借り物のヘルメットと言うことで極力原型を保つようにしました。
戦闘機パイロットの飛行装備はこうでしょう・・・
実は、本物そっくりのレプリカヘルメットも検討したんです。でも、やっぱり高い。とても3個揃えられるような代物ではありませんでしたね。なので、ヘルメットは装飾で本物らしさを出す事にしました。
その上で最初に製作したのが酸素マスク。企画当初は「便所のシュポシュポを使えばいい」と思っていましたが、やはり写真を見たらそれっぽく作りたくなります。
マスク製作中
マスクの製作過程を説明すると、まず100円ショップで調達した防塵マスク(100円で8個入りの使い捨てタイプ)と厚紙(プリンタの写真用紙A4サイズ)を使って型を作ります。これは大まかに作ったのですが、この型紙で3個のマスクを作る事になりました。この型紙に100円ショップで買った紙粘土をペタペタと付けて行きます。ある程度の成形もしながらの紙粘土吹き付け?作業。紙粘土作業が終わったら、後は乾燥させるために1日放置です。乾燥したマスクには、凹凸を無くす為に再度紙粘土を溶かした液を塗ります。そして再び乾燥。最後は、ペーパーをかけて形を整えます。そして塗装。これでマスクの本体は完成ですが、実際にヘルメットに装着出来るようにしなければなりませんので、ヘルメット側とマスク側の両方にマジックテープを取り付け、マスクにはベルトを取り付けてヘルメットに装着出来るようにしました。この方法だと、本物っぽく装着出来ます。酸素マスクのホースは、最初洗濯機の排水用ホースを考えていましたが重いことが判明。なのでエアコンの配管用塩ビホースを用意しました。しかし、こちらは長くすると柔軟性に乏しいため、頭の動きを制約されることに気付きました。若干見栄えが悪くなりますが、最終的にはLAN配線などを束ねるビニール製のねじねじ?を利用しました。これは柔軟性もあり、且つ装着時もパイロットの動きを制約することがないので安心です。
一旦完成したマスクとヘルメット
ヘルメットには、シールで立山インパルスのロゴとパイロット名(TACネーム)、ドルフィンマークと立山インパルスマークを貼り付けました。この装備で一番の問題は無線で話す事が出来ないことです。当初は「指示を聞くだけだからイヤホンで無線を聴くだけで大丈夫だろう」と言う予定だったのですが、F15の製作中に自分(藤野)のヘルメットを加工していた時に「やっぱり話せた方がいろいろ便利だ」と言うことになって、急遽ネクタイピンタイプのマイクを購入。それを無理やりマスクの中に仕込むことにしました。
マイクを仕込んだマスク
マスクの中に仕込むのは、かなり無理がありました。せっかく作ったマスクを無残にも切り裂き、無理やりマイクを突っ込みました。送信スイッチを表に出す必要があることから、マイクの向きが限られたのが最大の敗因。最初からこのマイクを仕込むことを前提に作っていればこんなことにはならなかったのですがねぇ。ただ、本物のマイクを入れたことで、今まではダミーだったマイクの配線も実物になってリアリティーが増しました。最終的な出来栄えはイマイチになってしまいましたけどね。でも、飛行中に話も出来て、4機でランデブーも出来たのでマイクを入れて良かったと思っています。
本番での装備装着
本番ではそれなりに「それっぽく」見えたので、「まぁ、良しとしよう」と言ったところでしょうか。次に作るとしたらもっとマシなものにしたいと思いますが、まぁこれで作ることもないでしょう・・・。
何はともあれ、装備品製作は大変でした。