10月22・23日に長野県小谷村の栂池エリアで開催されたJPA「栂池ジャパンカップ」で、Team-Cの吉田さんが復活参戦し見事
復活 to WIN
を果たしました。
復活ストーリー
栂池ジャパンカップは、当初の怪しい天気予報から徐々に良い方向に変わり、大会前日には晴れマーク主体の期待できるものになっていました。
せっかくの復活戦ですので、是非とも良いコンディションで競技自体を楽しんでもらいたいので
良かった
と思っていたのですが、ふたを開けると晴れながらも高層雲の張る渋そうな条件だったようです。
そんな中で発表されたタスクは10Km弱のレース。
おそらく、これでもギリギリのミニマムタスクだったのでしょう。
聞こえてくる情報によれば日照のタイミングなどが大きく結果に影響したようですが、こう言ったコンディションならばよくある話。
そんな中でもしっかり粘って最長距離を飛び、復活をアピールした吉田さんはお見事でした。
結果は6.59Kmでトップ。ミニマム距離の3Kmを超えた3人の1人となり、得点こそ34点でしたが少ないチャンスを生かした吉田さんらしい結果だったのではないか?と思います。
あの日から
吉田さんは2014年にJPAチャレンジリーグへ参戦。このシーズンは安比を除くすべての大会に参戦し、最終戦までトップ争いを繰り広げました。優勝1回、準優勝1回、3位は2回など常に上位へ食い込む正式でシーズンを戦い、最終的なリーグ成績は第2位(準優勝)で終えています。
そして、2015年からはN2リーグへステップアップしての参戦となり、初戦の朝霧では3位と上々のスタートを切りました。
しかし、3月にフライト中のアクシデントで一時パラグライダーを休止することになりました。
パラグライダーと言う趣味は、やはり何かあると命にかかわる事態になってしまうため、自分だけの問題ではなくなってしまうケースが多いです。一般的なケースだと、そのままパラグライダーを辞めてしまってもおかしくない状況でしたが、吉田さんは自分の意志でパラグライダーを続けてくれました。このことを書くのも吉田さんからの許可はもらっていませんので、ご本人から削除要請があればそれに従おうと思いますが、続ける決断をするのも大変な苦労があったのではないか?と思います。さすがに大会へ参加することはなかったのですが、当時の私たちは
「吉田さん自身が自分の意志で決めること」
なので、自分が納得するまで黙って待つことにしていました。
止まった時が動き出す
最も大きなキッカケは、やはりマヌーバトレーニングだったのではないか?と思います。
今年の9月に立山のスクール主催で開催された琵琶湖のマヌーバトレーニングに参加した吉田さんは、これまで抱えていたことをすべて解消するために精力的にトレーニングされていました。
技術的な問題はある程度解決することが可能ですが、精神面の問題は解決するのはとても難しいものです。それを受け入れ、立ち向かうこと自体は
本人の意思
以外にないからです。ですので、琵琶湖のトレーニングでは規定の課題と言うものはなく
自身の不安や弱点・問題や課題を顕在化させた上で、それを解決できそうな課題(演技)
を参加者自身に決めてもらう方式で行われました。
吉田さんは自分自身で演技を決め、それに取り組み、最後はレスキューの開傘を行って
自身の中の問題
を解決されたのだろうと思っています。
この時に、その時に止まった時間が再び動き出したのではないか?と勝手に考えています。
復活おめでとう
これがキッカケで今まで通り競技を続けていくのかどうかは吉田さん次第ですし、吉田さんが決めることです。
私個人としては、これまで通り競技を通してフライトの技術や知識、経験を深めながら、パラグライダーを楽しんでもらいたいと願っています。今回だけでなく、次回もぜひ、Team-Cの隊帽をかぶった表彰台に立つ吉田さんを見ていたいものです。
何はともあれ吉田さん、競技復活おめでとうございます。そして、栂池ジャパンカップ優勝おめでとうございます。