今年から始まった北陸リージョナルリーグ。5月に福井県のスキーJAM勝山エリアで開催され、今回の立山STAGEは2戦目にあたります。(間に獅子吼での開催が予定されていましたが、天候に恵まれず延期になっています)
立山STAGEは、立山エリアのクラブ・ハミングバードPGCが毎年開催しているクラブ大会「トミーズカップ」と併催の形で行われました。
立山STAGEレポート
9月10日は朝から快晴の空模様。今年の大会は、どちらかと言えば天候に恵まれないケースが多い中、今大会は事前の週間予報でも安定して晴れマークが予報されていて、開催前の精神的なストレスをかなり軽減してくれる結果になりました。
本来、北陸リージョナルリーグのコンセプトとしては
今回開催することに致しました、「北陸リージョナルリーグ」は、パイロットが自ら運営、開催する競技会です。
主催者は特になく、同好の士が自ら開催する大会と言うことをコンセプトとしています。
国内各地で行われています、いわゆる「エリア内コンペ」に相当するものです。
それを、北陸3県の各エリアが協力して開催するものです。
エリア及び、スクールは、開催の場所を提供すると言うにとどまりますので、選手の皆さんは、通常のビジターフライヤーとしてのルールとマナーを守って参加してください。
集計や開催に必要な作業は、選手の有志によって行ってください。
スクール等は出来る範囲でパソコンの使用などの協力を致します。
タスクの設定、安全委員の選定などは、選手間で行ってください。
一人でも多くの方に、競技の楽しさを知っていただくと共に、パラグライダーの奥深さを知っていただき、さらに競技による技術や知識の向上などを目的としています。
と言う感じなのですが、クラブ大会に併催する意味と、BBQなど事前に参加者を把握する必要もあって、開催1週間前での参加締切とさせていただきました。それでも、県外から11名の選手を含め19名の方が参加いただきました。ありがとうございます。また、アエロタクトの扇澤さんも参加いただきました。
雲多くトリッキーなコンディションに
今回のタスクは、予めホームページとfacebookで予定タスクを告知しました。事前の気象予想から十分可能なコンディションになると読んでのことですが、果たしてどうだったのでしょうか?
そのタスクですが
D92(極楽坂テイクオフ)
B02(SS:800m)
B02(TP2)
B03(TP3)
D91 展望台
B03(TP3)
B05(ゴンドラ山頂駅)
B04(白樺平)
B29(クワッドリフト乗り場)
B28(クワッドリフト降り場)
B03(TP3)
B05(ゴンドラ山頂駅)
B24(粟巣野ピーク)
A71(ES:1000m)
A71(GOAL:400m)
距離:中心間26Km(XCTrack)25.8Km(Flymaster)
最短:18Km(XCTrack)17.9Km(Flymaster)
と言うものです。チャレンジにしては長いとか、いきなりB02はどうだとか、あれこれ思うところはありますが、要は
「せっかく立山に来てもらったのだからたくさん飛んでほしい!!」
と言うのがわたしたちの気持ちです。なので、本来ならエリア外になる粟巣野ピークをラストパイロンに指定(本当は美女平が良かったと思いますが)して、ささやかながらファイナルグライドを楽しんでもらえたらと言う思いもあってこのタスクになっています。
クラブ大会のトミーズカップクラス2によるターゲット競技が先に始まり、選手はしばし観戦モードとなります。立山エリアが初めての選手もいらしたので、簡単にエリアのレクチャーを行いました。
雲低高度は1300m位で十分タスクがこなせると判断し、タスクは事前発表のものをそのまま採用。ゲートオープンを11時に、一斉スタートを11時30分に設定してレースを開始しました。
予想よりも雲は低く時折選手は雲中になりかけます。エリア上空を覆った雲によって日射も遮られ、状況は一気にトリッキーなムードになってきました。それでも、11時30分のスタート時間にはしっかりと高度を取った選手の集団がスタートして行きます。
低くなると上げるのが難しく、なおかつ北風の影響もあっていつもの稜線から南斜面のサーマルは低調。沖から戻った選手は上げ直しに時間を取られます。が、そんなことには関係なく地元選手はガンガンと低く攻めていきます。
稜線上を走るレグが多い中盤戦はそれほど上げなくてもこなせるものの、やはり低くなってしまうと上げ直しが辛い状況。レースは中盤以降までハイペースで進みますが、後半のB04と沖だしのB29を取る場面で全体が一気に雲に覆われて垂れてしまいます。このタイミングでB04を取りに行った先頭集団はもがきながら極楽坂方向へ戻りますが、残念ながらここで降りてしまうことになりました。
このタイミングを凌いだ数名が生き残り、難しいコンディションながらトップでゴールを切ったのはとなみ野をホームとする北選手。ゴール後の喜びの舞が印象的でしたね。
続いてゴールに飛び込んだのは、福井のジャム勝山をホームとする熊野選手でした。
ゴール者はこの2名にとどまり、予想に反して雲が低くトリッキーなコンディションになったレースは、大半の選手が途中で涙を呑むことに?なりました。ですが、簡単に終わるレースよりも苦しいレースの方が楽しいでしょ?
北陸リージョナルリーグ立山STAGE成立
北陸リージョナルリーグの第2戦にあたるこの大会は、2名のゴール者によって無事に成立しました。競技後は、BBQやフリーフライトで楽しんでいただきました。
結果、優勝はスコアリングの関係もあり、北選手と熊野選手が同点優勝ということになりました。
優勝の北謙太郎選手
優勝の熊野誠文選手
3位には、女子優勝も果たした中久喜選手と工藤選手が入りました。おめでとうございます。
女子優勝の中久喜千代選手
総合入賞者の面々(前列左から熊野選手、北選手、後列左から工藤選手、中久喜選手)
競技結果
入賞されたみなさん、おめでとうございます。立山の空を堪能していただけましたでしょうか?
事故やアクシデントもなく、無事に閉会を迎えることができた北陸リージョナル立山STAGE。今年はゴンドラが動かなかったりして、大会は無理かと思っていましたが無事にできてよかったです。
スタッフやスクールなど協力いただきました皆様にもこの場をお借りして御礼申し上げます。
次のリージョナルリーグは獅子吼になります。こちらにもぜひ、多くの選手が集うことを期待しています。
リポート:藤野 光一