初めてのMy Wing
ベーシックコースの講習を順調?にこなしていたPikaichiは、「ハミングバードパラパントクラブ」の先輩パイロットA氏から中古の機体を買うことになりました。A氏は当時エルドカの「トリエール」に乗っておられましたが、自分が以前乗ってた機体を譲ってくれたのです。価格は15万円でした。今思えば「ボられたかなぁ?」とも思ったりしますが、何もわからないままに話を決めてしまった・・・と思います。それでも、「自分の機体」と言うことが凄く嬉しかったと記憶しています。
講習の初期は、基本的なことを学ぶために「講習機」で練習した方が良いと言われていたのでしばらくはそうしていましたが、5月頃には関沢さんの許可も出てコーニッシュで練習することになりました。
クセのある機体「コーニッシュ」
コーニッシュなんて機体は、今の方は全然知らないでしょうし想像もできないでしょうから、簡単に説明しておきます。
メーカーは韓国のEDEL(イーデル)社
この機体を作っていたのはお隣韓国のパラメーカーでEDEL社。当時の機体には車の名前が多く付けられていました。「ムスタング」とか「コルベット」とか。当時のアエロタクト社では取り扱いが一番多いメーカーだったんじゃないか?と思いますし、その後も「EDLE押し」だったように思います。現在GinGlidersの社長を務めるGinさんは、当時EDEL社のデザイナーをしておられました。
エアインテークがメッシュクローズ
当時の機体にはよく使われていた手法ですが、エアインテークにメッシュ(網)が全面に貼られていて閉じた作りになっていました。メッシュは蚊帳を想像してもらえると良いのですが、蚊帳もわからない世代がいるかもしれないので「網戸」の柔らかい素材と想像して下さい。メッシュクローズすると何が良いのか?ってことですが、インテークの形状を保つ役割があってライズアップ時のインフレーションが良いこと、潰れた時の回復性が良いことが考えられますが、巷では「インテークに虫やゴミが入らない」と言うのがユーザー最大のメリットだったように思います。
インテーク前縁部分にバテン(プラスチックの棒)が入っている
これも、実は昔の機体にはそれなりにあった構造です。リームとリームの接合部にちょうどインテークから60cmくらいの長さ(もっとあったかも?)で比較的太いプラスチックの棒が入っていました。今で言う2ライナー機に骨が入っているご先祖様のようなものですね。これもライザーは2本でしたが・・・。翼前縁の硬性を高めて潰れ難くしようと言う発想なのでしょうが、効果があったかどうかは不明です。何故かと言うと、この機体に乗る時は「必ずブレークコードをある程度引いた」状態で飛ばなければならなかったからです。「ブレーク当てて飛んでね」と良く言われましたから、ニュートラルポジションはブレークがそれなりに引かれている位置。これって「バテンが入って前が重いからこうしなきゃならなかったんじゃないか?」と思いますね。それを象徴するのがライズアップ特性で、とにかくシュートするんです。がっちりと抑えないとテイクオフもままなりませんでした。なので、「空中でブレークコードを離したらどうなるのか?」って当時も思いましたけど怖くてできませんでした。(やった人がいたらどうなったか教えて下さい)
滑空比は5くらい?
実際に測定した訳ではないので定かではありませんが、滑空比はせいぜい5前後でしょうか。極楽坂テイクオフから飛んで、サーマル山で高度処理をして極楽坂ランディングに降りるまでの所要時間は6分ほど。途中のクワッドリフト降り場上空通過時の高さは、リフト降り場の建物まで50m程度の差しかなかったような印象です。展望台テイクオフから出ると、金山に到達する高さはゲレンデに1本だけ生えている木があるんですが、それと同等かちょっと低いくらい。金山のトップを通過するなんてことはあり得ません。そんなアングルでしたよ。
短い付き合いでした
そんなコーニッシュですが、ベーシックコースからマスターコースへ移行して高高度を飛び始めた頃までは乗っていました。20本くらいは乗ったかなぁ。ソアリングもしましたよ。この頃の機体でソアリングをすると「アコーディオン現象」って言うのが起こるんです。インテーク内の空気圧が変動して、スパン方向にまるでアコーディオンのように「グシャグシャ」言いながら伸縮して揺れるんですね。昔は「そんなもの」と思っていたので怖くも何ともなかったのですが、今思えば怖いですよね。それに比べて今の機体の安定していることと言ったら・・・。
コーニッシュはこの年(1992年)の8月末まで乗り、その後はEDELのSPACEに乗り換える事になります。ホントに短い付き合いでした。やっぱり、講習生の頃に中古で他人から機体を買うのは無駄な投資でした。こんなことなら地上練習は講習機でやって、マスターコースで新品を買えば良かったです。別にAさんに文句を言うつもりはありませんが、ホントに失敗しましたね。1本7,500円の機体使用料です。
今はこんなこともないのでしょうが、もしも始めたばかりの方が先輩に機体の中古を勧められたら・・・。
「悪いことは言いません。お断りして下さい!!」
パラグライダー回顧録(4.コーニッシュが来た)2 thoughts on “”
こんにちは。新潟の尾神で飛んでいます砂糖と申します。
懐かしく&楽しく読ませていただきました。
コーニッシュ、アエロティックという名前だったり色々でしたね。
明らかなアスリートのコピーでしたがアスリートより安定性が無くかなり落ちていました。
ただ、納期2ヶ月のアスリートに対し納期2日!
ハーネスはサービスだったので凄く売れました。
が、開けてみるとカラビナが無い!
クレーム入れたら小西さんが「ハーネスはサービスですけどカラビナは別です!」
なんじゃいそりゃあ?でしたね(笑)
佐藤さん、コメントありがとうございます。
尾神は昔、Jの大会で毎年お邪魔させていただきました。
最近は新潟の息子のところへ行く途中で右手に見るだけになりましたが・・・。
また飛んでみたいです。米山まで行ってみたい。
昔の話もちょろちょろとさせていただきますので、また突っ込みどころがありましたら遠慮なくコメントして下さい。
よろしくお願いいたします。